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MIS(エム・アイ・エス)とは、筋肉や軟部組織(皮膚等)への
負担をできるだけ最小限にする新しい手術手技のことです。
当センターでは、MIS手術手技を用いた人工関節置換術を取り入れ、皮膚切開をできるだけ小さくすることで、痛みの軽減や術後リハビリの早期開始、早期退院、そして早期社会復帰を目指しています。
MIS概要アニメーションを観る
1 | 手術後の傷跡が小さくなります。 |
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2 | 手術直後の痛みが軽減されます。 |
3 | リハビリを早く行い、入院期間が短くなります。 |
膝や股関節の痛みでお悩みの方は、当センターで関節疾患の専門医による診察を受けてください。
レントゲン撮影や問診などを経て、専門医が的確な診断を致します。
また、治療にあたっては患者様にとって最も良い治療を行えるよう、患者様と一緒に治療方針を立て
十分なインフォームドコンセントを行います。
手術の前に、患者様には必要な検査を受けていただきます。
服用している薬があれば必ず病院のスタッフに伝えてください。
検査が済み、手術への適応が確認された後、入院のための準備品などの説明があります。
人工関節や手術について、わからないことや不安なことがあれば、いつでも担当医や病院スタッフにお尋ねください。当センターでは、患者様がいつでも安心して医療を受けられるよう、常に心がけています。
手術後は看護師が適宜、血圧や体温などをチェックします。
患者様は麻酔が覚めて、意識がゆっくり回復してきます。
手術直後の痛みを取り除くため、痛み止めのくすりや症状によっては麻酔を使用することもありますが、MIS手術手技で行った場合は、痛みの軽減が期待できます。
手術を受けた関節周囲の筋肉を強化し、バランスや可動域を回復させるために、術後翌日~4日目までにリハビリテーションを始めます。当センターでは、専門の理学療法士が最適な運動をおこなう手助けをします。
回復が十分であると医師が判断したら、まもなく退院することができます。通常、退院する前に包帯を外して抜糸します。たとえばMIS手術手技による人工膝関節置換術を受けた患者様の場合、従来の手術方法では1~3ヶ月かかった入院期間が、およそ2~3週間で早期退院できるようになりました。
退院後も、定期的な診察とリハビリで患者様の長期的なQOL(クオリティオブライフ:生活の質向上)を守ります。関節の安定を保つ筋肉や腱は、動かさないとすぐに弱ってしまいますので、筋力強化が望める術後のリハビリは、非常に大切です。
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関節疾患の場合でも、程度が軽い場合は、投薬療法・注射といった保存的療法で症状を和らげることができます。ただし、痛みが継続する場合や、極端な変形で歩くことができなくなった場合、また関節リウマチが進行した場合には、人工膝関節置換術などの手術療法が必要になります。
人工膝関節置換術とは、傷ついた膝関節を、関節の代替として働くインプラントと呼ばれる人工膝関節部品に置き換える手術です。通常、医師は特殊な精密器具を使って3個の骨の損傷面を取り除き、そこへ代わりのインプラントを固定します。
※骨の損傷面を取り除き、代わりのインプラントを固定するイメージ |
大腿骨面は、元の骨とほぼ正確に一致する丸みのある金属コンポーネントと置き換えます。脛骨面は、金属コンポーネントとなめらかなコンポーネントと置き換えます。
このコンポーネントは、超高分子量ポリエチレンという素材から作られ、軟骨の役目を果たしています。膝蓋骨の裏面も、同じポリエチレン製のインプラントと置き換える場合があります。
※左が手術前、右が手術後のレントゲン写真 |
使用する膝関節部品は障害の程度によって異なります。
(程度が比較的軽い場合は骨の表面だけを削って置き換えますが、膝関節の高度な破壊が進み、障害が著しくなると、複雑な膝関節部品が必要になります。)
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膝の関節は3個の骨でできています。
すねの骨(脛骨)の上に太ももの骨(大腿骨)が乗っています。
膝を曲げたり伸ばしたりすると、太ももの骨の丸くなった端の部分が
すねの骨の上にある比較的平らな面の上で回転したり
横滑りをしたりします。
そして、膝の「皿」(膝蓋骨)と呼ばれている3個目の骨は、
膝の構造を整える筋肉とつながっています。
膝蓋骨は、それらの筋肉にかかる緊張を減らす「てこ」の役割を
果たしています。
膝が痛む主な原因として、次に挙げる関節疾患があります。
変形性関節症
健康で正常な膝関節において、膝の曲げ伸ばしは半月板や軟骨がクッションとなり、痛みを生じません。
しかし、加齢などによりクッションが磨り減ったり傷ついたりすると、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)がこすれあって、痛みや運動障害を招く病気、変形性関節症となります。
変形性関節症の国内における総患者数は、約95万人(男性35%、女性65%)と推計されます。受療者率は、どの年齢層においても女性の方が高く、男女とも50歳前後から増加し、70歳代後半がピークとなります。
関節リウマチ
関節リウマチのような関節炎では、滑膜が炎症を起こします。
放出された化学物質が原因で炎症が起こり、この化学物質が滑膜を肥厚させ、関節の軟骨や骨を破壊します。
滑膜の炎症は関節の痛みや腫れを引き起こします。
関節リウマチの国内における総患者数は約42万人(男性18%、女性82%)と推計されます。受療者率は、どの年齢層においても女性の方が高く、男女とも40歳前後から増加し、70歳代前半がピークとなります。
※「厚生労働省 統計データベース 2002年」より引用
関節疾患の場合でも、程度が軽い場合は、投薬や理学運動療法といった
保存的療法で症状を和らげることができます。
ただし、痛みが継続する場合や、極端な変形で歩くことができなくなった場合
また関節リウマチが進行した場合には、人工膝関節置換術などの手術療法が必要になります。
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手術の前に、必要な検査を受けます。
服用しているくすりがあれば必ず病院のスタッフに伝えてください。
手術前日は夜9時以降の飲食ができなくなります。
手術の準備
当日、腕に小さなチューブ(静脈ライン)を挿入します。このチューブは、手術中に抗生物質やその他のくすりを投与するのに使います。
麻酔
手術室に入ると麻酔がおこなわれます。麻酔には全身麻酔と局所麻酔があります。麻酔が十分に効いてきたら、消毒液を使って膝のまわりを消毒します。
止血
手術中に出血しないよう駆血帯を使って、手術する下肢の血流を一時的に止血します。
皮膚切開
膝の関節が見えるように皮膚を切開します。
損傷骨の切除
骨がすべて見える状態になったら、専用の精密な器具を使って損傷のある部分を取り除き、インプラント(人工膝関節部品)に合わせて骨の端の部分の形を整えます。
人工関節の固定
骨の切除が済むとインプラントを骨に固定します。膝が良い状態で機能するように、膝のまわりにある靭帯も調節する必要があります。
縫合
医師はインプラントがしっかり固定され、十分に機能することを確かめると、切開した部分を縫合します。
手術終了
手術したところから自然に生じてくる液を外へ流し出すために、専用の排液管(ドレーン)を傷口に挿入することがあります。その後、傷口を滅菌包帯でおおい、回復室に移ります。
手術にかかる時間はおよそ2~3時間で、個々の状況によって変わります。
輸血について
手術中および手術後には、輸血を必要とする可能性があります。最近では、手術の前に自分の血液を採っておき、手術後にそれを輸血する方法(自己血輸血)や、手術中に出血した血液を専用の器械でろ過して、体内に戻す方法などをとる場合もあります。
麻酔が覚めてくると、ゆっくりと意識が回復してきます。
看護師が付き添い、肺の中の空気をきれいにするために、咳や深呼吸をするよう促します。
また、手術直後の痛みを取り除くため、痛み止めのくすりを使います。
病室へ
完全に麻酔が覚めたら、病室へ戻ります。手術直後は頻繁に血圧や体温を測ったりします。
リハビリ
病室に戻ると、リハビリが始まります。
リハビリによって、膝の力、バランス、可動域(動かすことができる範囲)を効果的に回復させることができます。
また、理学療法士が最適な運動をおこなう手助けをしてくれます。
退院
回復が十分であると医師が判断したら、まもなく退院することができます。通常、退院する前に包帯を外して抜糸します。
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手術前の膝関節の痛みや変形により、筋力低下、関節の可動範囲の制限、歩行障害、日常生活動作障害が現れることが多いです。手術によって膝関節の痛みはなくなり、脚はまっすぐになりますが、筋力はすぐには戻りません。
また、手術創部の痛みがあるからといって膝関節を動かさないでいると、関節の動きが制限され、結果として歩行や日常生活動作に支障をきたします。
このような問題が起こらないよう、早期から術後リハビリを開始し、筋力や関節の動きを回復させ、早期に日常生活動作を自立すること、社会復帰をすることがリハビリの目標となります。
■早期からリハビリを行うことによって、深部静脈血栓症や不動による二次的な筋力低下 関節の動きの制限を防ぐことができます。 また早期の回復、早期の退院を可能にします。 ■手術後早期は、創部の痛み、転倒、起立性低血圧など、十分な医学的管理が必要とされますが 当院では整形外科医、麻酔科医、看護師、理学療法士らが密な連携をとり リハビリを進めています。 |
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1.手術前リハビリ
手術が決定した方は、手術までの間、週1~2回の外来通院での術前リハビリを行います。
術前リハビリでは、筋力トレーニングやご自宅での運動の指導、術後リハビリの準備などを行います。手術後に良好な回復を得るためには、術前リハビリがとても重要になってきます。
2.術後(入院)リハビリ
手術翌日より、病室で理学療法士によるリハビリが始まります。
身体の状態や手術創部の痛みに応じてリハビリを行い、可能な方は術後翌日より歩行器を用いた歩行練習を行います。また、ベッド上で行える運動やアイシング(患部を冷やすこと)の指導などを行います。
リハビリは1日2回(午前、午後)、60分ずつ行います。痛みや回復段階に応じて、筋力トレーニング、杖歩行練習、階段昇降練習、日常生活動作練習などを行います。
退院時には自宅生活での注意点や、ご自宅での運動、住宅環境のアドバイスを行います。
3.退院後(外来)リハビリ
退院後も継続して筋力トレーニング、関節を動かす練習などのリハビリが必要となります。歩行スピード、安定性、持久力の向上、また余暇活動の拡大、仕事やスポーツへの復帰、習い事の再開などを目標とします。
週1~2回、約3ヶ月間、通院でのリハビリを行います。当院への通院が難しい方は、医師より自宅近隣の病院・クリニックを紹介しています。
通院でのリハビリ終了後、筋力、関節の動きを良い状態に維持するためには、ご自宅でのリハビリが必要となります。ご自宅でできる運動を指導いたしますので、継続してください。
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関節疾患の場合でも、程度が軽い場合は、投薬療法や理学運動治療といった保存的療法で症状を和らげることができます。ただし、痛みが継続する場合や、歩行能力の回復が見込めない場合、また関節リウマチが進行した場合には、人工股関節置換術などの手術療法が必要になります。
人工股関節置換術とは、傷ついた股関節を、関節の代替として働くインプラントと呼ばれる人工股関節部品に置き換える手術です。通常、医師は特殊な精密器具を使って骨の損傷面を取り除き、そこへ代わりのインプラントを固定します。
※傷ついた股関節を、関節の代替として働くインプラントと呼ばれる 人工股関節部品に置き換えるイメージ |
人工股関節は、金属製のステムとボールとソケット、そしてソケットの内側にはめ込むシェルで出来ています。シェルは、超高分子量ポリエチレンという素材から作られ、軟骨の役目を果たしています。
金属のボールがソケットに組み込まれれば、スムーズな動きが得られます。
股関節の立体イメージ |
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